2013年12月14日土曜日

GL21、食器リサイクルの視察


 GL21が進める陶磁器食器の資源循環、そのリサイクル食器製造の視察には1年を通じて各地から市民団体や行政関係者等の方々が多数おいでになります。

ヤマカ陶料では加藤副社長からリサイクル陶土製造の
流れや最近の土資源の枯渇化のお話がありました。
最近では、この12月3日に長野県塩尻市の市民や地元自治体関係者の20人がおいでになりました。視察は、多治見市にある陶土の製造メーカーのヤマカ陶料㈱からスタート。ここはRe-食器の製造に欠くことができないリサイクルの陶土の製造現場です。ここでは、まず陶土製造の流れを副社長の加藤さんから聴いた後、工場を視察します。コースは、各地のユーザーから回収された使用済み食器のヤード、そしてその原料化(粉砕)工程、粉砕物を新しい粘土やけい石、長石等に20~50%配合する調合工程、調合物を平均粒度7μm程に微粉砕するボールミル、そしてミルから出され水分を多く含んだ泥状の陶土から余分な水分を除くフィルタープレス、陶土製造では以上の工程を視察いただきました。
各地から回収された使用済み食器のヤード。
白い法のヤードは給食用食器の強化磁器食器です。

 次の工程は、ヤマカ陶料に比較的近いオリベストリートで昼食を兼ねて、多治見市PRセンターでRe-食器の実物をご覧いただき、またストリートに散在する陶磁器のショップやギャラリーを時間ある限りご覧いただきました。


 昼食後は、多治見市のお隣の土岐市に移り、全国各地の自治体が行政回収した使用済み食器を1㎜程度に粉砕して原料化をおこなう神明リフラックス㈱の視察になります。ここでは、宮地社長から陶磁器食器の資源循環の流れや各地の取り組みの状況など、GL21プロジェクトの取り組みについて説明を受けたあと、陶磁器食器専用の粉砕機などを視察いただきました。

 次は、同じ土岐市にある山津製陶㈱のRe-食器(リサイクル食器)の製造現場です。技術者の高橋さんから陶磁器リサイクルに係わるちょっと難しいお話を聞きながらの工場見学になります。リサイクル陶土が練られ、自動ロクロで食器が形づくられ、乾燥され、素焼され、釉薬をかけられ、1300℃以上の高温で焼かれる一連の工程をご覧いただきました。

 みなさん、陶磁器・焼き物に抱くイメージとは異なり、自動化・量産化が進む製造現場に驚かれた様子でした。今まで手付かずあった「陶磁器・焼き物」のリサイクルにむけ、行政の方や市民の方の強い眼差しが感じられる視察会であったと思いました。
使用済み食器を原料化する工程。ボールミルという機械で
一昼夜粉砕され、平均7μ程度になります。
ボールミルの中には写真のような硬い石ころが入っていて、
ミルの回転によって石と石が陶土を擂りつぶしていきます。
 

2013年11月13日水曜日

地球のかけらプロジェクト_なごや環境大学 共育講座


1110日(日)、「なごや環境大学」共育講座“やきもののリユース、リサイクル~見つけて、育てて、命を吹きこんで~”を開催しました。企画運営はグリーンライフ21の活動をベースに立ち上げた新プロジェクトの「地球のかけらPJ.」によるもの。場所は、多治見市の市の倉にある工房の住吉窯で行いました。

多治見市市の倉の「住吉窯」
工房の周りはもうすぐ紅葉です。
 講座は、不要になったり、壊れたりした食器に手を加えて再び価値ある焼き物に蘇らせ、再び暮らしに活きる焼き物に仕立て上げようとするもの。第3回となる今回の講座では、「まだ使える焼き物をもっと楽しく・面白く」をテーマに、壊れた食器の「金継ぎ」と食器のかけらを使った「アクセサリーづくり」に挑戦しました。
 
 「金継ぎ」は通常ウルシを使うのですが、今回はカブレ症状がなく塗膜や性能がウルシと変わらない樹脂塗料を用い、二つに割れた食器や欠けた食器の補修を行いました。参加した皆さんは大切使っていた食器を持参し、その欠けや割れを繕ったり、自分がつくった作品の欠点等を金継ぎで補ったりして熱心に取り組んでいました。
 
欠けた器の補修、真剣な表情が印象的でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 「アクセサリーづくり」では、沢山の「食器のかけら」の中から好みの「かけら」を見つけ出し、多様な色やカタチをしたガラス玉やピン等と組み合わせたネックレスの制作や、好みの「かけら」にクレヨンやカラー転写紙によって絵付けを行うブローチの制作に挑戦しました。いずれも、みなさんの創意工夫が発揮され、楽しく充実感ある講座になったように感じています。

たくさんの食器のかけら=地球のかけらとガラス玉など
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

陶磁器専用のクレヨンや転写紙で
彩られた食器のかけら
かけらを使ったアクセサリー

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 次回は、1130日(土)には使用済み食器をリサイクルした陶土による陶芸教室を行います。お申し込みは当HPCONTACTページhttp://www.gl21.org/contact.htmlをご利用下さい。


2013年11月9日土曜日

ものづくり 岐阜テクノフェア2013に出展しました


多治見市のセラミックパークMINOで開催された「ものづくり岐阜テクノフェア2013」に(一社)グリーンライフ21として出展しました。11月1日(金)ー2日(土)。
同フェアは、異業種交流や産学官連携などの新たなネットワークづくりとビジネス構築を目的などに2年に1回県内各地を巡回するかたちで開催され、2日間で2万人の来場者を見込んでいます。
グリーンライフ21はほぼ毎回出展し、フェアーを通じて県内出展者や県、市などの関係機関と接触し、その後の情報交流や開発活動につなげています。

今回は、現在開発中のRe50商品(再生材50%配合再生食器)3種と学校給食用強化磁器食器、業務用食器、そしてリサイクルに至るプロセスを紹介する使用済み食器の粉砕物やRe陶土などを出品しました。

今回のフェアでは、野菜などの食品の使わない部分や残りで布地を染色(のこり染め)し、タオルやバッグやキッチン雑貨などの商品をつくる大垣市の生産者と接触でき、今後 展示会などで環境に配慮したライフスタイル提案を協力してやっていこうという話し合いができました。コンセプトの一致です。

展示会の様子を写真でご紹介します。



会場内は予想以上の来場者でした。
GL21ブース、関心のある来場者に対応する
山津製陶の高橋さん。
地元の公設試験研究機関でもRE50商品やその物性などが
紹介されてました。産官の連携です。

2013年10月31日木曜日

土岐織部ライオンズクラブ&土岐市生活学校

 
恒例になった土岐織部ライオンズクラブと土岐市生活学校のコラボによる使用済み食器の回収が1019日(土)の9:3011:00まで土岐市役所の駐車場で開催されました。

今回は、食器の色が比較的“白いもの”と“そうでないもの”の分別が実験的に実施されました。

これは、美濃焼の製造販売に係る事業者のニーズに応えたもので、再生材料(セルベン)の価値を少しでも上げて食器リサイクルの普及を促そうと計画したものです。

“白いもの”が多く配合されれば再生された食器も白くなります。“そうでないもの”は土物食器やその他で活用をはかることができます。

実験では“白いもの”と“そうでないもの”がくっきり分かれましたが、量的には圧倒的に“そうでないもの”が多い結果になりました。バランスを取るためにはもう少し“白さ”の基準を甘くして“白いもの”の量を増やした方がよさそうに感じられます。

実際の現場でのこの分別は大きな負担になると思います。今は実験段階、できるものか否か、一度お試しいただきご意見を頂ければ幸いです。
 
今回は約1トンの使用済み食器が回収されました。
 
分別した白いもの。
もう少し絵や色が付いたものも加えられそうです。

2013年10月19日土曜日

大阪府“初”!河内長野市で使用済食器の行政回収が始まっています。


河内長野市では平成254月から、陶磁器製とガラス製の食器の回収がスタートしています。これで市町村が行う陶磁器製食器の回収は全国で19市町村・17ケ所になります(試行や食器外リサイクル含む)。

 河内長野市の取組みは、回収した食器の中で、まだ使えるものは新たに使っていただける方に無料で使ってもらう「もったいない市」(リユースの取組み)が二ケ月に1回開催され、そして割れたり、壊れたりした食器は再生食器(Re-食器)などの原材料としてリサイクルされています。

 回収方法は、市役所1階市民サロンで開催される「もったいない市」への持ち込みと、資源選別作業所への持ち込みの二通りあります。持ち込みできる人は河内長野市民で、陶磁器製とガラス製の食器のみが回収対象です。市では、食器以外のものを持ち込まない、汚れているものはしっかり洗って持ち込むなどの協力を呼び掛けています。
(詳細は↓)
http://www.city.kawachinagano.lg.jp/cases/gomi_recycle/1364952948068.html

 お問合せ:河内長野市役所 環境共生部 環境衛生課
電話:0721-53-1111
E-mail
kankyoueisei@city.kawachinagano.lg.jp



2013年10月11日金曜日

再生材50%配合のRe-食器づくり~よいところ~


一昨年から、使用済み食器の粉砕物(再生材)を50%混ぜたリサイクル食器“Re-食器”の開発をすすめています。

従来のRe-食器は20%配合が主力、50%配合にすることは既存の釉薬が使えないなどの難しさもありますが、よいところも沢山。

例えば、50%配合は20%の2.5倍の資源循環率になります。今まで1個回収すれば5個のRe-食器を製造販売しなければならない状況でしたが、2個で済むことになります。

そして、50%配合にすると陶磁器を焼く温度を下げることができます。焼成温度は1150℃で済み、いままでより200℃近く下げることができ、伴ってガスの消費量や排出する温室効果ガスも最大で3割カットすることができます。資源循環に加えて、低炭素にも貢献する食器ということになります。

そして製品の強度アップにもつながります。ただし、素地(土)と釉薬の熱膨張率が適合する必要があり、ここに一つの難しさがあります。要は、素地と釉薬が仲の良い状態をいかにつくるかです。

低炭素で丈夫なリサイクル食器をめざして、今年度も二つの事業をGL21プロジェクトでは実施しています。

来年4月以降のお披露目にむけて頑張りたいと思います。ご期待下さい。


6月のインテリアライフスタイル展(東京ビッグサイト)に
Re50商品を出品した様子

食器リサイクルは使用者と消費者の連携があって成り立つ
活動です。

 

2013年9月26日木曜日

食器のリサイクル、広域認定制度の活用

GL21プロジェクトに参加する学校給食用食器商社の ()おぎそは、複数の自治体で廃棄物(自社製品)を回収・処理できる環境省の広域認定制度の認定業者となりました。今後、()おぎそではこの制度を活用して食器リサイクル事業の拡大をはかります。

 この認定制度では、都道府県のそれぞれに産業廃棄物の処理業者の認定申請の許可を受ける手間と時間が省略でき、陶磁器製食器の資源循環を進めやすくできるメリットがあります。また、産業廃棄物処理業者として顧客から対価を受け取って回収・再利用をできるようになり、今まで払ってきた顧客(自治体)から自社への配送料などが抑えられ、製造コストが下がり商品の競争力を高められることが期待できます。

 今後、()おぎそでは主力の学校給食用食器のリサイクル事業に加え、民間の飲食店も対象にこの制度を活用して一層のビジネス拡大に努めたいとしています。

飲食店には、使用済み廃食器をリサイクルすることによる処理費の削減とともに自店の環境対応の消費者へのアピールが期待できます。
 【以上、日経産業新聞(9.19(木))から】

()おぎそ http://www.k-ogiso.co.jp/
下図は㈱おぎその全国の食器回収リスト(上記HPから)