2011年11月10日木曜日

瀬戸の鉱山見学~原料の枯渇化がすすんでいます~

11月4日(金曜日)好天のもと、瀬戸地区にて長年にわたり自家鉱山にて粘土採掘と粘土精製販売を行っている㈱加仙鉱山のご好意をいただき、瀬戸地区の3箇所の粘土鉱山ならびに粘土(原土)をすいひ粘土、珪砂に精製する工場の見学を、GL-21参加企業11名と研究機関6名の計17名の参加で実施しました。
瀬戸のグランドキャニオンと呼ばれている鉱山の雄大な光景を見、掘った穴の大きさと残りの原土が少ないことを目の当たりにしました。
良質な粘土が枯渇していく状況で、少ない粘土で良質な陶磁器をつくる技術が今後の課題となると思われます。
粘土鉱山を見たことが無いメーカー、商社の方は特に勉強になったようです。

事故も無く無事見学が終了することができました。皆様お疲れ様でした。

.........................文:山津製陶㈱  高橋 良夫

↑ 上の写真は、粘土(木節粘土や蛙目粘土)の採掘現場です。二つの粘土が交互に層になっています。いまは、蛙目(がいろめ)粘土の採掘がおこなわれているようです。


↓ 下の写真は、採掘した原土を水で溶かし、粒子の比重で粘土、キラ、珪砂に分離する行程です。
ベルトコンベアに乗った原土が次々に流れてきて水に溶かされ撹拌されます。


↓ ↓の写真は、原土から珪砂のみ取り出し、粒子をそろえ、含まれる鉄分が除去され、釉薬などの原料に使用されます。


↓ 下の写真は、原土から粘土分のみ取り出し、プールにストックされている状況で、この後プレスにかけられ適度な水分をもった粘土板になり出荷されます。写真は蛙目粘土で、最良質な粘土で有名な本山木節(もとやまきぶし)はもう採れなく在庫分だけだそうです。




↓ 下の写真は、プレスした粘土板をさらに自然乾燥させ、水分を除き、軽量化したのち各地に輸送されます。

↓ 下の写真は、良質な蛙目粘土で、過去には精巧な人形などに使われていました。粘土のなかにはここにストックされている量のみで、後7~8年でなくなる良質粘土も幾つかあるとの説明をうけました。


↓ 下の写真は、珪砂を採掘する大きな鉱山。ほとんど掘りつくし、後は埋め戻し作業が近いとのことです。他に新しい鉱山候補もあるそうですが質に問題があり、実現にいたっていません。


........................写真と文:Hasegawa




















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